前回、これまで敬語として誤っているといわれていた「とんでもございません」という言い方が、『敬語の指針』で容認されているということをお話ししました。 とは言え、もしもお客様から「間違った使い方では?」と指摘されたときに、「いえ、これは文部科学省では認められていて…」と答えるのは、おかしなことです。   敬語は相手を敬う言葉ですが、『敬語の指針』には、「敬語は固定的・絶対的なものではない」と書かれています。 「こういう相手には、いつでも、誰でも、この敬語でなくてはならない」とか、「こういう場面では、いつも皆がこの敬語を使わなくてはならない」というものではなく、あくまでも、敬語は『自己表現』であるべきだ、ということです。 そして 「具体的な言語表現に際して、相手や周囲の人との人間関係や、その場の状況に対する自らの気持ちの在り方を踏まえて、その都度、主体的な選択や判断をして表現するということである」 というのが、『敬語の指針』が示す『自己表現』です。   日本人として、正しい言葉遣いは知っておきたいものです。 その上で、相手や状況に合わせて、自分の言葉で気持ちを伝えていきましょう。『上司の代理で参列する場合』 秘書は、上司が告別式などに参列できないときには代理で参列する場合もありますので、基本的なマナーについては心得ておきましょう。 まず服装ですが、喪服を着用し、アクセサリーは控えます。真珠は涙を表すため、一連の真珠などは着けてもよいとされています。 受付では「このたびはご愁傷様でございます」「お悔み申し上げます」などとあいさつし、その後、香典を渡します。不祝儀袋は汚れないように袱紗に包んで持っていきましょう。受付で、まず香典を袱紗から取り出し、先に袱紗を畳みます。次に不祝儀袋が相手側に正しく向くようにして両手で差し出し、「ご霊前にお供えください」と言葉を添えます。その際、畳んだ袱紗の上に載せて差し出してもよいでしょう。続けて芳名録に上司の名前を書き、その下に小さく、代理という意味で(代)と書きます。 『受付を担当する時の心得』 秘書は上司の家族・関係者の葬儀や会社で執り行う社葬などの受付を任されることもあります。まず服装は喪服、または黒のワンピースかスーツを着用します。手伝いであっても香典を包み記帳しますが、会葬者には喪家側の立場で対応します。 受付では「このたびはご愁傷様です」などと言葉を掛けられますので「お忙しいところわざわざお越しいただきましてありがとうございます」などとあいさつします。あいさつが終わったら、「恐縮ですが記帳をお願いします」と芳名録か筆記用具を手で示します。もし不祝儀袋を先に差し出されたら「ご丁寧にありがとうございます」と応じ、両手で丁寧に受け取りましょう。また、会葬者の荷物やコートなどもここで預かります。弔電が届いたら、式が始まる前に担当者に渡しましょう。 代理で参列する際も、受付を担当する際も、顔見知りの人と会った時には「いつもお世話になっております」などのあいさつは控え、個人的な会話も厳禁です。目礼、もしくは軽く会釈をする程度にとどめましょう。