前回までに、復唱の効用として、 「正確に聞き取れているか確認できる」 「正しく理解できていることが相手に伝わり、安心感を与えられる」 という2つがあるとお話しました。   電話は顔が見えませんから、反応を示すには、声を発するしかありません。その一つが、復唱です。 しかし復唱といっても、効果がなければ無意味なもの、それどころか悪い印象を与えるものになるでしょう。 単なるオウム返しになっていたり一方的に質問ばかりしていたりでは、正しい確認ができません。 適切な相づちと間(ま)も織り混ぜ、その場にあったタイミングと長さで返す復唱が必要です。 そしてそれにより、本当の気持ちを話してもらえる場を、作ることができることでしょう。 今回は、2つのケースで考えたいと思います。   1)こちらが何も聞かなくても、ご本人が言いたいこと、更には、こちらが聞きたいことまで、たくさん話してくれる場合 この場合「理解していることを伝える復唱」はほとんど必要ないでしょう。 短い「はい」、長くても「さようでございますか」の相づちで充分だと思われます。 「はい」という、たった二文字の短い言葉でも、高さ、明るさ、速さに変化を付けることでさまざまな表情がつけられるものです。 こうすることで、言葉は短くても良く伝わります。 そして、先方がひと呼吸おいたときやお話が一段落したときが、いよいよこちらの出番です。 聞き取れなかった箇所を「正確に聞き取れているか、確認する復唱」で聞き返します。 その際、先方のお話を遮ると非常に失礼にあたりますから、そのようなことのないよう、タイミングを計ることが大切です。『それぞれの立場を思い遣って』 秘書は社内のパイプ役を果たす役割があります。そのため、役職者と上司の上下関係はしっかりと心得ておきましょう。例えば、上司が営業部長であれば営業本部長、常務、専務、副社長、社長、会長は上司の上役になります。 また、経理部長や総務部長、企画部長などの部長職は上司の同僚ということになります。課長や係長は上司より下位の役職です。 『上司の上役への対応』 上司の上役への対応は、上役の指示や命令が最優先されます。例えば、急用で出社が遅れている上司のところに、社長室から「上司にすぐ来てほしい」と呼び出しがあった場合。上司より上役でなければ先に用件をお聞きするところですが、この場合は、上司が急用で出社が遅れていることを伝え「必要なら連絡を取ってみるがどうか」と尋ねます。 『上司の同僚への対応』 上司の同僚に対する対応は、状況によって異なります。もし営業部長である上司が外出中のところへ、他部署の部長が訪れ、「昨日の商談はうまくいったのかな」と尋ねられた場合、もしあなたが結果を知っていたらどうしますか。 機密事項として話さないべきか迷うところですが、商談のことを知っている上司の同僚にまで秘密にする必要はなく「詳しいことは分からないが、予想通りのよい結果でとは聞いている」と言うことができます。但し、上司から「機密事項」と口止めされている場合や社外の方へ話すのは厳禁です。 『上司の部下への対応』 上司の部下への対応で気を付けなければならないことは、秘書が上司に対して影響力を持っているかのように振る舞わないということです。例えば、上司が忙しいせいかイライラして部下に当たることがある場合「上司が少しは気にするように、自分も近くにいるようにしようか」などと声をかけることは、秘書が上司に影響力を持っているかような印象を与えてしまいます。 あくまでも秘書は、上司と関係者との間のパイプ役ですから、立場をわきまえ「今は忙しいからあまり気にしない方がよいと思う」ということを伝えるようにしましょう。