あなたの会社は大丈夫?人手不足倒産になる前に経営者が考えたいこと

あなたの会社は大丈夫?人手不足倒産になる前に経営者が考えたいこと

人手不足の問題と原因。その解決法とは

 
2018年に帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査」によると正社員は企業の51.1%、非正社員は企業の34.1%が不足していると感じており、商工リサーチのデータによると、人手不足や後継者不足によるいわゆる「人手不足倒産」は2017年から20.4%増の324社と人手不足が深刻化している昨今。「人手不足倒産」にならないために、経営者としてどのような対策をとるべきでしょうか。

まずは、人手不足はなぜ起こっているのかを考えてみましょう。
 
 

 
 

生産年齢人口に該当している「働けない世代」

総務省統計局の調査で、日本の人口は2008年をピークに、減少の一途をたどっています。2060年には9,000万人を下回るとも予測されていて、生産年齢人口(15歳から65歳未満の年齢に該当する人口)の減少が原因の一部であるのは間違いありません。しかし、人口の減少については、すぐに解決する問題ではありません。何が原因で人口の減少に繋がっているのか根本を解決しなければ、問題の解決にはなりません。もし、解決したとしても、それは何十年後かの話であって現状の人手不足が解決することはないでしょう。

では、今、人手不足を解決するにはどうしたらよいでしょうか。

それは、生産年齢人口に該当しているのに、就業率が52%、正社員比率でいえば8%しかいない【子どもを持つ女性】を積極的に雇用することです。【子どもを持つ女性】は、働く意志や有能なスキルを持っていたとしても働くことが出来ない人が多いのが現状です。それは、保育園の待機児童の問題をはじめ、リスクのある雇用を積極的に行わない企業側にも問題があります。【子どもを持つ女性】に対しフルタイムの雇用や一般社員と同じ仕事を求めていては雇用は難しいでしょう。

人手不足を解決したいのであれば【子どもを持つ女性】をどのように戦力としていくか戦略を立てなければいけません。

 

子供を持つキャリア女性を活かす企業の取り組み

子どもを持つ世代の女性の就業率が52%、正社員比率でいえば8%しかいないことを前回お伝えいたしましたが、この数字は決して女性が働きたくないからではありません。子育て世代の女性は、何よりもまず「子供の時間」を最優先にした働き方が出来るかを考えて仕事を探さなければいけないのです。やりがい、自分のスキルが生かせる職場で働くことができれば何よりですが、それ以上に出勤日、時間、場所が重要なポイントとなり、家庭と両立できる仕事を探すと、なかなか希望に沿う仕事には出会えず、結果として正社員で働くことが出来ません。しかし、企業側から考えてみたとき、時短勤務や急な休みなどのリスクがある人よりも、フルタイムで働けて、会社に貢献できる人を採用したいのは当たり前のことで、費用を出して求人募集をかけるのであれば、リスクの少ない方を求めてしまうのは仕方のないことです。

大手企業であれば、託児所を開設するなど、根本からの改革を行う手段もありますが、中小企業ではそんな大掛かりなこともできません

ここでもう一度考えてほしいのは、人には、向き不向きがあり、すべての人が会社に求められるすべての仕事に対し100%で出来るわけでは無いということです。せっかくフルタイムで働ける人材を採用できたとして、本当にやってほしかった仕事への発揮能力が少なかったら、わざわざフルタイムの人材を入れる必要性があるでしょうか。

確かに、人数の少ない会社では、ひとりで色々な仕事をしなければいけませんが今、なぜ人手不足と感じているのか、何の仕事をしてほしくて、採用をかけようと思っているのか、もう一度しっかり考え直してみるとその仕事に特化したスキルをもった女性を採用したほうが、スムーズでしょう。フルタイム勤務だけに固執するのではなく、仕事の見極めと割り振りを考えると選択肢が増えてきます。

 

忙しいフリをしている人を見極める

求人をかけるためには、費用も労力もかなりかかります。まず、そもそも募集自体が必要なのでしょうか。貴社ではなぜ求人を募集しようと思ったのか、なぜ人手不足だと感じているのかもう一度理由をあげてみましょう。急にスタッフが辞めてしまった、スタッフが産休に入ってしまった、ずっと残業が続いている、自分の仕事が回らない、など、とにかく「忙しい」という理由ではないですか?

次に、スタッフが日々どんな仕事をしているのか細かく書き出してみましょう。メール処理、電話対応、受付対応、営業、資料作りなど、いくつも出てくると思います。では、その書き出した仕事を「本当に必要な仕事」か、「やった方がいいかも知れないが、やらなくてもよい仕事」に分類してみてください。分類が終わると「本当に必要な仕事」は、ほんの一握りになっているでしょう。

本当に忙しい人は、自分が「本当にやるべき仕事」が分かっていて、「自分でなくてもできる仕事」はとことん排除しますが、本当は忙しくない人ほど、暇な時間に余計な仕事を詰め込む習性があるからです。本当は忙しくない人は、特にやらなくてもいい仕事を「必要な仕事」に変換し、空いた時間分だけ無駄な仕事を行い、忙しいフリをします。その状態で、新しい仕事が割り振られたとき、詰め込んだ無駄な仕事を捨てることなく、新しい必要な仕事を上乗せするため日々業務に追われ、残業になり、うまく仕事が回らなくなり、人手が足りないと嘆くのです。

急いで募集をかける前に「本当に必要な仕事」のタスク化して、本当に募集が必要なのか。もう一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

時間を有効活用し仕事の生産性をあげる

決してサボっていたわけでも、手を抜いていたわけでないのに、その日予定していた仕事が終わらなかった経験あると思います。実はそれ、仕事量過多なわけでも、あなたの要領が悪いわけでもないかもしれません。

あるデータによると、仕事中に話しかけられるなど予定していない行動で作業を中断すると、中断後に作業を再開するのに25分。中断前の集中力まで戻すには、さらに15分も要するという結果が出ています。つまり、単純計算で一日8時間労働として5回作業を中断すると、約3時間以上はロスしていることになりますね。たった5回の中断でこの結果です。ここに来客や電話対応を含めたら、中断回数はもっと増えることでしょう。ただ、逆に考えれば、仕事の時間を増やすためには「中断する回数」を減らすことができれば、時間が増えるということです。

このロスを解消するために「がんばるタイム」を導入している企業もあるようです
「がんばるタイム」とは、電話対応や雑談、コピー、電話、立ち歩き、雑談などすべての割り込みを禁止、上司や部下との打ち合わせ、相談なども禁止し自分の仕事だけに集中するための時間です。10年ほど前、内閣府より発表された ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた「3つの心構え」と「10の実践」の中でも出てきており、大手企業の資生堂やトリンプでも採用されていて、10年以上にわたる増収増益になるほど、効果的な方法といわれています。

しかし、社内でルールを作る必要があり、しっかりしたルール作りをしないと、新入社員ががんばるタイムに慣れるまで時間がかかる、繁忙期の実行は難しい、がんばるタイムがあることで、他の時間気が緩んで集中力が落ちる場合がある、というようなデメリットも出てきます。特に、大手有名企業でない限り、このような「連絡を断つ」時間はをつくることは取引先には理解されにくいのが現状です。

では次に、なぜ顧客や取引先は、電話をかけてくるのか考えてみましょう。
 

 早く回答が欲しい

メッセージツールは、相手がすぐに確認してくれるとは限りません。返信を希望しても、返信も相手の都合に左右されます。一方で電話は、相手さえ電話に出れば、返答を得ることができるので、早く回答が欲しい人はどうしても電話をかける頻度が上がります。

中には『早く回答が欲しい』という希望は、自分勝手な都合なので、それに対応する必要がないとお考えの方もいらっしゃることでしょう。一部では『電話不要論』というのも出ています。しかし、貴方のそのメッセージの確認回数と返答にかかる時間は適正なものなのでしょうか。自分自身のスケジュール管理があるように、相手にも相手のスケジュール管理が存在します。あなたはその相手のスケジュール管理に間に合うように回答できていない場合も想定されます。

また、回答に対してさらに質問が分岐する場合、メッセージツールでは何度もやりとりをする必要が出てきます。分岐した場合を考えて、メッセージの中に記載したとしても、メッセージには読み手の負担を考えた適量の文量もあるので、長々と文章を書いても読まれないケースも多く、何度もやりとりをすることになり、結局電話した方が早いと思われてしまいます。

 

 細かいニュアンスを理解してほしい

メッセージツールは、基本が文字によるやり取りのため、読み手によって文字から受け取る印象やニュアンスが変わります。一方で、電話は声で伝えることができるので、感情や細かいニュアンスも伝えることができます。

例えば、予定通りに荷物を発送したが、自然災害のため配達予定日を過ぎての到着になる可能性が出てきたことを

ご依頼いただいておりました○○は、予定通り●日に発送いたしましたが、台風の影響により、配達予定日の過ぎてしまう可能性がでてまいりました。ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。恐れ入りますが、なにとぞご了承いただけますようお願いいたします。

とメールで送ったとします。

相手側は、「台風だから仕方ない」「わざわざ連絡してきてくれた」と思う人がいる一方で、「台風がくることがわかった時点で、もっと早く発送すべきだったのではないか」と思う人もいるでしょう。

これが電話で、申し訳なさそうに同じ内容を話されたとしたら、台風の影響が配送に影響することを気が付けなかったと話されたとしたら、仕方ないなと思うことも多くなるのではないでしょうか。電話が不要と思っていても、最優先して対応をしてくれている」「事態の重要性を理解している」という「自分を大切に思ってくれている姿勢」を見せられて、気を悪くする人は少ないということです。
 

 様子伺い

メッセージツールでは文字のやりとりだけになってしまうので、相手の感情などを読み解くのは難しいと先ほどもお伝えしましたが、久しぶりに連絡を取りたい場合にも同じことが言えます。

「あの人どうしているかな」「最近、連絡取ってないな」という方に、「ご無沙汰しております」というメッセージだけを送ったところで、相手の方は、どう返していいのか、わからなくなることでしょう。そして返事がなければ、返事がないことに督促することも出来ないので、その場で関係が終わってしまうかもしれません。その点電話では「最近お会いしてなかったから、どうしてるかなと思って、最近どうですか?」とその場で話を広げることもできますし、次に繋げることもできます。特に用事がないのに、かけてこないで欲しいという気持ちもわかりますが、こうした人との繋がりが、ビジネスの分岐点になったりするものです。こうした人と人とのコミュニケーションを取る手段としては、電話は抜群に優れています。

このように、電話をかけてくる理由は様々です。特に、早く解答がほしい、細かいニュアンスを伝えたいという部分に関しては、文字でやり取りしていても伝わらない。埒が明かないと思われているからかもしれません。そのような理由の電話を「今は電話に出ない時間」と決めて対応しない、というのは会社として損害でしかありません。

 

電話代行をつかって、電話の緊急度を選別する

取引先の様子伺いに関しては、そこまで”重要”な案件ではありません。ましてやかかってきた電話が、売り込みセースルの電話は全くの不要なものでしょう。こうした電話の選別を行うのが【 電話代行 】です。

また、予めお客様に何時ごろ折り返し連絡するかお伝えすることができます。折り返し時間をこちらから指定することによって、「かかってきた電話を折り返すための時間」をスケジュールの中に組み込んでおけば集中する時間を保ったまま、取引先へのニーズにもこたえることが出来ます。緊急の案件か、そうでないかを、電話代行を通して振るい分けをし、緊急と判断したもののみ、先に確認することもできます。

また、直通番号でない限り、電話は出るまで「誰宛」の用件かわからず、自分以外の電話でも時間を削られますが、電話代行を使うと誰宛の電話か、用件に沿って適切に担当者だけに通知させることもできます。留守番電話などのメッセージ機能を使うと、あとで「誰宛か」「用件はなにか」で選別が必要になりますが、電話代行を使うと自動化されます。

このように一部を外部にアウトソーシングすることで、一人ひとりの生産性があがり、結果として採用をかけなくても人手不足の解消につなげることができます。労働人口が減少する中で、採用は難しい問題です。まずは採用の前に、できるところから始めてみてはいかがでしょうか。

■補足■
電話代行にも、電話にでて電話の用件を文字起こししてくれる。全ての会話が録音されていて、録音が送られてくる。ある程度のスケジュールに沿って応対を変更してくれるなど、電話代行会社によってサービス内容は様々です。今回は当社ビジネスアシストを利用した場合を例にしています。
 
 

関連記事

■自社の電話代行を使ったら想像以上に便利だった話

 
 

この記事を書いたのは

ビジネスアシスト 営業部
1999年に設立。秘書検定所持の正社員スタッフだけが応対する高品質な電話代行です。20年以上電話代行を専門で行い、電話代行の使い方をはじめ、電話代行を効率的に使う方法、電話応対のノウハウなど、電話に関することを発信しています。

お気軽にお電話ください 0120-068-688