電話代行の必要性
すぐにはじめる『働き方改革』を考える(2)

代表電話を社外で受ける準備
在宅勤務(リモートワーク・テレワーク)の準備で、まず設定していただきたいのが、代表固定電話を社外で受けられるようにすることです。代表電話が営業時間内に繋がらないというのは、企業イメージを著しく低下させ、顧客離れの原因にもなります。代表電話番号を社外でも受けられるようにするにはいくつかの方法がありますので、ご紹介していきます。
1)『契約している電話会社の電話転送サービス』を利用する
最も手軽な方法は『契約している電話会社の電話転送サービス』を利用する方法です。各会社ごとに、NTTはボイスワープ、SoftBankは多機能転送サービス、KDDIは着信転送と名称が異なりますが、サービス内容はほぼ同じです。
こちらのメリットは、電話または各会社のホームページから契約している電話回線の契約に上記サービスをオプションとして付加する申し込みをし、オプションが使えるようになったら固定電話を使って、自身で初期設定をするだけで使えるということ。また、あらかじめ暗証番号などを登録しておけば、社外から携帯電話を使ってリモートで操作が可能なことです。急遽、誰も出社しなくなった場合でもリモートの転送操作ができるとため大変便利です。また、かけてきた方の着信番号を転送先の電話機でも確認することが可能です。
デメリットは、NTT以外の電話会社はオプションを申し込んでから利用できるようになるまで、書類提出から約1ヶ月かかる場合があること。そのため、余裕をもってオプションには申し込みをしておく必要があります。(NTTは当日〜2日程度で利用できます)
2)電話の転送機能がついた電話機を利用する
ビジネスフォンの中には、電話を転送する機能のついたものがあり、その機能を使って電話を転送することができます。
こちらのメリットは、もともとのビジネスフォンの機能を使うので、オプション代などが追加でかからないこと。電話会社の電話転送サービスは月数百円〜千円程度のオプション料がかかりますが、こちらはかかりません。
デメリットは、ビジネスフォンの設置は自身で行うことは難しく、工事業者の方に依頼する必要があること。ビジネスフォンの機能を使って転送するので、ビジネスフォンが故障や停電などで利用できないときは、転送機能も使えないこと。ビジネスフォンの性能によっては、リモート操作ができなかったり、かけてきた方の着信番号が表示されないことです。導入済みのビジネスフォンの機能に左右されることが多いので、今後ビジネスフォンの導入をお考えの方は、しっかりと機能を確認しておくことをお勧めします。
3)クラウドPBXを使う
クラウドPBXとは、構内に置いていたPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)をクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うことで、従来の電話環境を改善することができるサービスです。場所を選ばずに電話環境を構築できるほか、設定もWebブラウザやアプリケーション上で簡単に行うことがでる点が特長です。
こちらのメリットは、インターネット回線を主としているため、社内LANに接続するだけで内線電話網が構築できること。配線工事が必要ないことから導入にかかる初期費用をかなり抑えられること、スマートフォンのアプリを使って代表電話の受発信ができたり、スマートフォンを内線化して社員同士の通話も簡単に行うことができます。
デメリットは、インターネット回線のため、通話品質が安定しないこと、データの流出、PBXの乗っ取り、なりすましなどセキュリティリスクが高くなること、クラウドPBXを侵入経路や踏み台としたサイバー攻撃のリスク、緊急通報(110や119など)に発信できない場合があること、停電時に利用できないことなどがあります。
クラウドPBXはかなり便利な反面、いままでになかったリスクが発生してきます。導入時にはサーバーセキュリティ対策が必須です。
どの方法でも電話を転送することはできますが、クラウドPBXの導入については、他のリスクも伴います。ただ電話を転送させたいだけという場合には、やはり『契約している電話会社の電話転送サービス』が、一番手軽でお勧めです。