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耳で聞くとは

電話応対の際に「耳で聞く」とは、相手が発してこちらに届いた音声をそのまま耳で受けとめるということです。
これは相手の声が小さかったり、雑音が入ったりすると届きません。
また、言葉のあや、言葉の裏、行間を読みとる、などとよくいわれますが、そのようなものとは一切かかわらないことになります。
このように、不確かなものであり、また、流れにまかせるような能動的な行為になるため「耳で聞く」は、レベルが低い方法といえます。
とはいえ、まずは先方の話をそのまま聞くということは非常に大切です。
初めて話す相手であれば第一印象で、あるいは既にお取引のあるお客様であれば、それまでのお付き合いの経緯から、大抵は 「この方は、こんな性格の人だ」という見解を持つものだと思います。
そこから更に一歩踏み込んで「この方は何がご希望なのだろうか」と推測しながら話をすればよいのですが、もしも自分が受けた印象だけを信じ、偏見を持ったままだとしたら事実を捻じ曲げてしまう恐れがあります。
特に負の要素が含まれるような思い込みは危険です。
悪い先入観を持つと、意味を取り違えたり、おっしゃっていないはずのことを、おっしゃったと思い込んだりして、先方の真意を引き出すことができません。
相手が話しているところを遮ったり、否定したりせず、思い込みや決めつけを取り払った状態で、そのままを耳にとめる。
こういったことを意識した「耳で聞く」を実行したいものです。