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心で聴くとは

これまで二つの「きく」をお話しました。
1)耳で「聞く」 ⇒ 聞こえてくる音声をそのまま聞き取ります。
2)口で「訊く」 ⇒ 質問をして、先方に答えてもらいます。
どちらも大切な方法ではありますが、耳の機能として限界がありますし、こちらの聞きたいことだけを聞き出して終わってしまう、つまり「相手の真意を聞けない」ということが懸念されます。
そこで、これらの問題点を払拭する聞き方が、
3)心で「聴く」
となります。
これは、「心『を』聴く」と考えてもよいかもしれません。相手の発した言葉から、状況や心情を推し量りながら、会話をする方法になります。
例えば、先方が「〇〇ですが、××さんはお戻りになりましたか」とおっしゃったとします。
スケジュールボードを見ると、××さんは1時間ほど前から外出しているようです。
先方がどのような状況で、また、心情で、この言葉を発したのかを一切考えなければ
「いいえ、××は外出しております。私でよければ、ご用件を承ります」
などと言うことになるでしょう。
しかし「いらっしゃいますか」ではなく「お戻りになりましたか」とおっしゃったことに着眼すれば、もう一歩進んだ応対ができるはずです。