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~はじめに~良い電話応対とは?(1)

ビジネス電話での『良い応対』とはなんでしょうか?
「正確に聞き取り、素早くメモすること」でしょうか?
それとも「ミスなく上司の応対指示に従うこと」?
ここはやはり、「正しい敬語を使うこと」でしょうか?
私の経験を、一つお話しします。
それは、こちらが電話に出て、社名を名乗るか名乗らないかというときに、いきなり始まりました。
「注文していたものと違うんだよ! 今日、絶対必要なのに! いったいどう責任をとってくれるんだ?!」
ここで、「ではすぐに正しい商品をお持ちします」などと言う権限は私にはありません。
あったとしても、それを言う隙もないほど、先方は感情的にまくしたてていらっしゃる、という状況でした。
これはもう、正しい敬語がどう、スピードがどうなどと気にしている余裕はありませんでした。
今日、絶対必要なのにそれがないのは、当然お困りだろう…
担当者が対応するために必要な情報は?
私にできることはなんだろう?
ぐるぐると頭の中で引き出しを開け、探りながら、必死に応対しました。
そして結果としては、なんとか担当者から連絡することをご了承いただき、会話を終わらせることができました。
すると、お電話の切り際にお客様から一言
「ありがとう。まずは電話してよかった。怒鳴って申し訳なかったね」
お客様の声は、通話しはじめのときには考えられなかったほど穏やかになっていました。