どのように訊けばよいか1

どのように訊けばよいか1

学生アルバイト時代に生まれて初めて受けたビジネス電話で私が聞き取れなかったのは、先方のお名前でした。
「聞く」(聞き取る)ことができなければ、「訊く」(質問する)しかありません。

そのときの私は、

「失礼ですが、もう一度よろしいですか」

という言葉を使いました。

そして、確かに先方は繰り返してくれました。ただし一度目と同じ速さ、同じ声量だったので、本当に「繰り返し」でしかなく、やはり聞き取れませんでした。

お取引先のようだったので、そのまま社員さんに繋げようとしましたが、「ちゃんとお名前を聞いて」と、受話器を受け取ってくれませんでした。
相手の身元も確認できないのであれば、会社の電話に最初に出る意味がない訳ですから、当然のことでしょう。

そして三度目、私はまたもや「もう一度よろしいでしょうか」と言い、先方ももう一度おっしゃってくれました。やはり一度目、二度目と同じ話し方です。

今考えれば、私は自分が聞き取れるようにもう一度言ってほしかったのですから、そのことを先方へ伝えるべきでした。

例えば、このような聞き方があります。

「お電話が遠いようですので、もう一度よろしいでしょうか」

そうすれば先方は、 声が小さくて聞こえにくかったのだなとボリュームを上げて言い直してくれるでしょう。
(この場合、実際に先方の声が小さいとしても「『お声が』遠いようで」と言うと
失礼にあたるということで、「電話が遠い」という言葉を使うようです)

 ただしそのときの私は、ボリュームを上げてもらうだけではなく、
 ゆっくりとはっきりと、場合によっては漢字やローマ字の綴りでも良いので、
 とにかく私が聞き取れるように言ってほしかったのです。