「させていただく」「していただく」の連呼や、たくさん敬語を使っても取って付けたような話し方では、敬意を示すという本来の意は伝わらず、単にその人の口癖だと思われてしまうでしょう。 こんな「過剰な敬語」を使っていませんか。 ・誤「そちらの書類でしたら、拝見させていただいております」   →正「そちらの書類でしたら、拝見しています」 「そちらの書類でしたら、拝見しております」 ・誤「お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか」   →正「お伺いしてもよろしいですか」 「お伺いしてもよろしいでしょうか」 「拝見する」「お伺いする」と、すでに謙譲語を使っていますので、 同じく謙譲の意を表す「させていただく」が続くと、二重敬語ともとれます。 敬語が二重になっているからといって、全てが誤りとはいえないようですが、こちらは不自然な印象ですね。   また、正が2つずつになっているように、語尾を「~ですか」とするか、「~でしょうか」とするかでも印象が変わります。 後者の方が、より柔らかい印象を与えます。 ただ、何でも「~でしょうか」と言っていればいいというものでもありません。 1つの会話で何度も出てくると、紋切り型だと捉えられてしまいます。 これは、お客様からの注文を受けるときなど、複数の質問をするときに起こりがちです。 「お名前をよろしいでしょうか」、「お電話番号をよろしいでしょうか」 「ご住所をよろしいでしょうか」、「ご希望の商品名をよろしいでしょうか」… 「〇〇をお願いします」や「〇〇はいかがなさいますか」「〇〇はどちらですか」など、一辺倒な使い方にならないよう、工夫したいですね。『社外の人でも敬語を使う』 上司の家族は「社外の人」です。通常「社外の人」に対しては、自分の上司の立場を下げた謙譲語で話しますが、上司の家族については例外で、自分の上司に対して尊敬語を使い、上司を上げて話します。   『敬称の言い方』 では、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。たとえば、上司が食事のため留守にしている時に、かかってきた電話に対して、通常は、「専務の山田は、ただ今食事に出掛けております」と応対します。しかし、上司の家族から電話がかかってきた場合は、「山田専務は、ただ今お食事に出かけていらっしゃいます」となるのです。 ポイントとしては、役職には既に敬称がこめられているので、社外の人と話す場合は「部長の○○」という言い方になります。しかし、上司の家族からの電話に対しては、敬語を使うため、「○○部長」という言い方になることです。   『相手の立場を考える』 では、「奥様からお電話があったと、申し伝えておきます」という言葉はどうでしょうか。一見、問題ないと思われるかもしれません。しかし、「申し伝えておきます」は、聞き手が話し手よりも上位であることを表す語となるため、上司を上げて話せていません。上司の家族からの電話の場合、上司と上司の家族が、自分より上とみなして、上司にも上司の家族についても尊敬語を使います。そのため、正しい言い方は、「奥様からお電話がありましたことを、お伝えしておきます」となるのです。 このように、相手によって敬語の使い方が異なります。自分が話している方の立場をよく考えて、話すようにしましょう。