『3つの「A」で印象アップ!』

秘書は「会社や上司の印象を良くする」という使命があります。では突然ですが、ビジネスの場面で印象をよくするための「3つのA」をご存知でしょうか。 1つ目の「A」は『Appropriate(適切)』・・・業種、職種、場面に適切な姿であること。 2つ目の「A」は 『Attractive(魅力的)』・・・自分自身を良く知り、スタイルや色をチョイスできること。この二つは「身だしなみ」に通ずるところがありますね。 最後の「A」は 『Assured(自信)』・・・『自信』は、姿勢や堂々とした態度、生き生きとした表情に表れます。

『姿勢からのアプローチ』

姿勢は、仕事への取り組み方などが感じられるので、人と接することの多い秘書は良い姿勢をとることが大切です。いくら服装やメイクに問題がないとしても、姿勢が良くなければ、きちんとした雰囲気が足りないように感じられてしまいます。 良い姿勢を取ることによって、お辞儀の仕方や歩き方などの振る舞いにも連動し、見た目にもすっきりした感じを与えることができますし、振る舞いがよければ話し方にも影響して、落ち着いたきちんとした話し方をすることができます。「いつも緊張して、つい焦って話してしまう」という人は、まず姿勢やふるまいを意識してみましょう。

『あせらずに・・・』

具体的な立ち姿としては、横から見て耳、肩、手、ひざ、かかとが一直線になるように立ちます。男性は肩甲骨、女性はみぞおちに重心をおくと美しい立ち姿になります。 綺麗なお辞儀は、体をぴんと伸ばしたまま、首は曲げずにおしりを後ろに突き出すように腰から曲げます。このとき視線を変える(落とす)と首もそれに伴って曲がるので要注意です。また、体を倒す速さより元に戻す時の速さを遅くすると、より印象が良くなります。 ひとつ上級の姿勢やふるまいで自分の気持ちを落ち着け、印象アップを目指しましょう。一つの言葉から様々なケースを想定し、先方の真の目的や、その場にあった行動をとれば、「○○様のことはわかっていますよ」と、会社として「安心感」「信頼感」を与える応対ができるでしょう。 このように、耳で聞くこと、口で訊くことを織り混ぜながら「先方は何が言いたいのか」「何が起こっているのか」を『心で聴く』のが理想的な応対です。 これは言葉そのものだけでなく、先方の声の高さやスピードからも読みとることができます。 早口であれば、お急ぎかもしれません。 声が小さいのは恐縮されているのかもしれません。 もともと早口とか、もともと声が小さいということも考えられます。 ところで、様々なケースを想定する中で注意したい点があります。 『考えがあらぬ方に向かってしまわないように気をつける』 ということです。 世の中には思いもよらない、ビックリすることがたくさんあります。 そういったことも受け止められるよう常にニュートラルでありたいものですが、ある程度方向を定めておかなければ先方に無駄な時間をとらせることになるでしょう。 ましてや先方にとって不利なことだとしたら、不信感をも与えてしまうに違いありません。 会社の方針に則って考えなければなりませんね。不在にしているスタッフに対してのお電話で「××さんはお戻りになりましたか?」と言われたとき、「××さんはいらっしゃいますか?」との違いに気づけば、そのあとの応答や行動はおのずと決まってくるということを前回にお話しました。 まずは「お戻りになりましたか」という言葉を正確に聞き取ることが必要です。 これは、「耳で聞く」の部分になります。 この言葉を更に「心で聴く」ようにすれば、自分が電話を受ける前に、別のスタッフが対応をしていた可能性があると考えられました。 そのあとは、それを確かめるために「口で訊く」ことになります。 この例では社内の他のスタッフにも訊いた上で、先方に「先ほどお電話をくださった〇〇様ですね?」と確認しました。 よって、そのまま「いいえ、××はおりません。私が承ります」と用件をもう一度言わせるような不親切な応対にならずにすみました。 また、行き違いになっていることについてのお詫びもできました。 もうひとつ考えられるケースがあります。 社内にいるスタッフに聞いても、この電話に心当たりがないとしたら、××さんが事前に、先方へ戻り時間を伝えていたということかもしれません。 複数人で電話をかけたり受けたりすると、こういったことも起こり得ます。 社内でお互いにスケジュールを把握しておくのはもちろん、 自分が不在にするときに、お客様から電話が入ることが予測されるのならば、在社しているスタッフに状況を知らせておくことも大切ですね。「〇〇ですが、××さんはお戻りになりましたか」からどういったことが推測できるでしょうか。 まず「同日に、既にお電話があったのではないか」ということが考えられます。 ××さんが1時間前から外出をしているのであれば、前回は今から1時間前以内にかかってきていたことになるでしょう。 そこで、一度目に電話を受けたスタッフがどのように応対したか、確認する必要があります。  ・外出中と伝えただけか、戻り時間も知らせたか  ・「かけ直す」と言われたのか、××からご連絡すると伝えたのか  ・用件は聞いていたか、それについてどこまで対処したか そういった確認に時間がかかるようであれば、応対したスタッフ本人に電話をかわった方が、スムーズに進む場合もあるでしょう。 また、もしもそのスタッフも席を外しているのであれば、××さんのデスクにある伝言メモで、状況を知ることができるかもしれません。 このように、先方の言葉遣い一つからでも、どのような行動をとればよいかが、おのずと決まってきます。 それにより、初対面のように応対するのではなく会社として「あなたのことは分かっていますよ」という姿勢を伝えることができます。 また、先方にもう一度用件を言わせることになったり、電話が行き違いになったりすることも防げます。 「先ほどお電話をくださった〇〇様ですね。××はまだ外出しております。 お手数をおかけしまして、申し訳ございません。 ~につきましては、ただいま××が手配しているところです。 あと~分ほどで戻りますので、ご連絡をさせていただきます」 相手の状況や、さらには心情をも推測する方法は、まだまだありそうです。これまで二つの「きく」をお話しました。  1)耳で「聞く」 ⇒ 聞こえてくる音声をそのまま聞き取ります。  2)口で「訊く」 ⇒ 質問をして、先方に答えてもらいます。 どちらも大切な方法ではありますが、耳の機能として限界がありますし、こちらの聞きたいことだけを聞き出して終わってしまう、つまり「相手の真意を聞けない」ということが懸念されます。 そこで、これらの問題点を払拭する聞き方が、  3)心で「聴く」 となります。 これは、「心『を』聴く」と考えてもよいかもしれません。相手の発した言葉から、状況や心情を推し量りながら、会話をする方法になります。 例えば、先方が「〇〇ですが、××さんはお戻りになりましたか」とおっしゃったとします。 スケジュールボードを見ると、××さんは1時間ほど前から外出しているようです。 先方がどのような状況で、また、心情で、この言葉を発したのかを一切考えなければ 「いいえ、××は外出しております。私でよければ、ご用件を承ります」 などと言うことになるでしょう。 しかし「いらっしゃいますか」ではなく「お戻りになりましたか」とおっしゃったことに着眼すれば、もう一歩進んだ応対ができるはずです。聞き取れなかった名前を聞き返すときに 「どちら様でしょうか」 という言い方で確認する方法もあります。 しかしこれは「誰ですか」を丁寧に言っているわけで、私が知りたいのは「誰」ではなく「名前」ですので、あのときの状況では使えなかったでしょう。 それにいくら丁寧でも「誰?」と聞かれるのはあまりいい気分ではないかもしれません。 それでは、もしも二度、三度と聞き返すことになってしまうのならば、自分の状況を伝えるのはいかがでしょうか。 「申し訳ございませんが、お名前を聞き取れませんでした」 そして、もう一度名前を「言わせる」のではなく、「聞かせてほしい」「教えてほしい」という気持ちを伝えるのです。 「もう一度、お聞きしてもよろしいでしょうか」 「もう一度、お教えいただけますでしょうか」 このように「名前を訊く」というだけでも、日本語は何通りもあるのですね。 「どちら様ですか」 「お名前よろしいですか」 「お名前をお聞きしてもよろしいですか」 「お名前を教えていただけますか」 そして、 「お電話が遠いようですので」「私が聞き取れませんでしたので」 と、聞き取れなかった理由を添えたり、 「失礼ですが」「恐れ入りますが」 などクッションになる言葉を添えたりもします。  そのときの状況にあわせて、先方に「もっと聞き取りやすく言い直そう」  と思ってもらえるような聞き方ができるといいですね。学生アルバイト時代に生まれて初めて受けたビジネス電話で私が聞き取れなかったのは、先方のお名前でした。 「聞く」(聞き取る)ことができなければ、「訊く」(質問する)しかありません。 そのときの私は、 「失礼ですが、もう一度よろしいですか」 という言葉を使いました。 そして、確かに先方は繰り返してくれました。ただし一度目と同じ速さ、同じ声量だったので、本当に「繰り返し」でしかなく、やはり聞き取れませんでした。 お取引先のようだったので、そのまま社員さんに繋げようとしましたが、「ちゃんとお名前を聞いて」と、受話器を受け取ってくれませんでした。 相手の身元も確認できないのであれば、会社の電話に最初に出る意味がない訳ですから、当然のことでしょう。 そして三度目、私はまたもや「もう一度よろしいでしょうか」と言い、先方ももう一度おっしゃってくれました。やはり一度目、二度目と同じ話し方です。 今考えれば、私は自分が聞き取れるようにもう一度言ってほしかったのですから、そのことを先方へ伝えるべきでした。 例えば、このような聞き方があります。 「お電話が遠いようですので、もう一度よろしいでしょうか」 そうすれば先方は、 声が小さくて聞こえにくかったのだなとボリュームを上げて言い直してくれるでしょう。 (この場合、実際に先方の声が小さいとしても「『お声が』遠いようで」と言うと 失礼にあたるということで、「電話が遠い」という言葉を使うようです)  ただしそのときの私は、ボリュームを上げてもらうだけではなく、  ゆっくりとはっきりと、場合によっては漢字やローマ字の綴りでも良いので、  とにかく私が聞き取れるように言ってほしかったのです。耳で聞き取れなかったときにはどうするか。 これは、先方に教えてもらうしかないでしょう。 「尋ねる/問う」という意味の「聞く」が必要になります。 漢字では「訊く」と書くこともあるようです。 一番シンプルな聞き方は「もう一度」でしょうか。 「恐れ入りますが、もう一度よろしいですか」 この言葉が自然に出てくるといいですね。 ところが、実は学生アルバイト時代の私は、この「もう一度よろしいですか?」では、うまくいきませんでした。 先方は確かにもう一度おっしゃってくれました。しかし、聞き取れなかったときと同じ言い方だったのです。 これでは、たとえ何度繰り返してくれたとしても聞き取れるわけがありません。 それならば、このような言い方もあると思います。 「ゆっくりとお願いします」 「もう少し大きな声でお願いします」 簡潔で分かりやすい言葉です。 しかし、目上の方、お客様からのお電話では、あまりにもストレートな気がします。 少なくとも、学生アルバイトの私がこれを言っていたら先方の気分を逆撫でするようなことになっていたでしょう。 それは、 「あなたの言ったことが私には聞き取れず、困っている。ぜひ教えてほしい」 という状況や気持ちを伝えられていないからです。 次回はそれをどのように伝えればよいか、お話したいと思います。